月別アーカイブ: 2017年7月

レントゲンによる発ガンの可能性

胸部レントゲン写真を撮影すると、被曝します。

 

ある臨床医は「胸部レントゲン写真を撮影しても被曝量は大丈夫ですか?」という質問を患者さんから質問されて、「ほぼ大丈夫です。」と回答しています。

この「ほぼ」が気になりますが、医師としては100%の安全が保障できない以上、こう答えるしかないのです。

 

東日本大震災における福島の東京電力第一原子力発電所の事故があってから、一般的にも放射能被害への関心が高まっています。

ちなみに、人間の体は、何もしていなくても日常生活の上において年間で23 mSv(ミリシーベルト)の自然放射線に晒されているのです。

 

一般の患者さんが心配するのは、医療においてのレントゲンやCT写真を撮影することによる発ガンの可能性です。 

 

病院で撮影される胸部レントゲン写真は1回あたり0.020.1mSv程度です。

また、側面レントゲン撮影は正面レントゲン撮影の34倍の被曝量とされています。

航空機に乗ると宇宙線に晒されますが、国際線の場合で胸部レントゲン写真を撮影するのと同じくらいの被曝量とされています。

そのため、1年間に複数回胸部レントゲンを撮影する患者さんが受ける被曝量は、海外旅行に何度も行くようなものだと指摘されているのです。

 

結論からいうと、この胸部レントゲン写真の場合、通常の撮影では被曝が発がんのリスクになることはほとんどありません。

 

人体が放射線を大量に受けると、白血病やガンを発症する可能性が生ずるということは過去の研究データよりわかっていますが、その放射線の線量は1,000mSv(ミリシーベルト)を超える量なのです。

一般に病院で使用されるレントゲン検査の放射線量は、胸のX線写真1枚で約0.1mSv(ミリシーベルト)の量で、約1万回検査を受けないと1,000ミリシーベルトの線量にはならないのです。

 

歯科の場合ですと、歯科用CTやレントゲンで受ける放射線量は歯科用CTの場合で1枚あたり 0.1mSv (ミリシーベルト)、小さいデンタル写真だと1枚あたり0.01mSv 、大きいパノラマ写真でも1枚あたり0.03mSv とされています。

 

レントゲンによる発ガンの可能性は、心配しなくてもよい事がおわかりになると思います。

 

レントゲンによる被ばく量

歯科を含めた医療では、人体に影響があると言われている放射線(X線)を使って検査や治療を行っています。

 

歯科におけるレントゲン検査は、患者さんがむし歯や歯周病の正しい診断を受けるため、また今後の治療に不可欠なものなのです。

 

歯科医院が使用するレントゲンによる被ばく量は、身体に影響が出ると指摘されている量よりもはるかに少ない量を使用しています。

そして、必要な患部のみに必要最小限のX線量で正しい診断が下せるように検査を行っていますので、放射線による影響をご心配されることはありませんので安心して検査をお受け下さい。

 

国際放射線防護委員会(ICRP)は、一般市民の被曝限度として、平常時では年間約1mSv(ミリシーベルト)が理想的であると勧告しています。

これが放射線業務従事者の年間被曝の上限になると50mSvと設定されています。

 

ちなみに、これ以上の線量では99%が死亡するとされる人体が受ける放射能の致死量に相当する被ばく量67Sv(シーベルト)になります。

この単位のSv(シーベルト)は、mSv(ミリシーベルト)の1000倍の線量です。

 

対して、歯科用CTやレントゲンで受ける放射線量は歯科用CTの場合で1枚あたり 0.1mSv (ミリシーベルト)、口の中に入れて撮影する小さいデンタル写真だと1枚あたりCT1/10相当の0.01mSv 、お口全体が撮影できる大きいパノラマ写真で1枚あたり0.03mSv なのです。

これらは、一年間の限度とされる値の10から100分の1の値であり、胸部や胃のX線検査で浴びる放射線被ばく量よりもかなり少ない値といえるのです。

 

歯科のレントゲン検査は、妊婦の方でも安心して受けられる安全な検査なのです。

 

妊婦のレントゲン撮影

妊娠中は口腔内がむし歯になりやすい環境になってしまい、口内ケアを怠ると簡単にむし歯や歯周病になってしまいます。

 

しかし、妊娠中のむし歯治療でレントゲン撮影や麻酔が必要になってしまい、胎児が大丈夫なのかと不安になられる方がいらっしゃると思います。

 

歯科でレントゲン1枚をとる放射線量は小さな歯の場合で、0.1Sv(シーベルト)位、お口全体のレントゲンでも0.4mシーベルト位になっています。

 

最近のデジタルレントゲンではその放射線量は上記の10分の1から4分の1位、更にしっかりと防護エプロンを使用していればその影響はほぼないと言えるレベルなのです。

 

これらは、航空機に乗って海外に行く放射線レベルの数十分の1位のレベルなので、あまり心配される事はありません。

 

つまり、「レントゲンを1枚撮影」であれば影響はありませんし、更に「防護エプロンを着用していた」のであれば、全く影響はないのです。

 

ちなみに、抜歯したり歯茎を切開したりするような治療では麻酔を使用しますが、このようなケースで「麻酔のような強い薬を使っても大丈夫なんですか?」と心配になられる方もいらっしゃると思います。

 

基本的に、歯科治療での麻酔は全身麻酔ではなく、一部分への局所麻酔なので胎児への影響はないといわれています。

使用する麻酔薬が少量で、麻酔を打った患部で分解されてしまうので、胎盤を通して胎児の体内へ届くことはないのです。

 

どうか、妊婦の方でも安心して歯科治療を受けられて下さい。

 

歯周病

自分の歯は健康だと思っていても、急に歯茎が腫れたり痛みを感じたりして悩んでいる方が多いようです。

 

歯周病というのは見た目では分かりにくく、症状があまり出ないために、自分では気がつかない内に歯周病が進行してしまいます。

口腔内の写真では健康そうに見えても、レントゲン写真を撮ると歯茎の中の骨が殆どなくなっている場合もあるのです。

 

歯周病は歯を支えている骨が溶けていく病気ですが、骨は歯茎の下にあるため見た目には健康そうに見えます。

しかし、歯茎の中で少しずつ歯周病が進行しているケースが多いのです。

 

ある患者さんの場合、歯周病が重度に進行して1本は自然に抜け、奥歯に激しい痛みが出てきました。

レントゲン写真を撮ってみると、奥歯は急速に骨が溶けています。

しかし、この段階になると奥歯も治療をして残せる状態ではなくなっているのです。

もっと早い段階で診察を受けていれば、2本とも残せたかも知れない残念なケースなのです。

 

歯医者さんには痛くなる前に行く事が大切です。

 

歯周病は違和感や痛みなどの症状が出た頃にはかなり悪化しています。

悪化してからの治療は外科的に再生するか、抜歯になってしまうのです。

そのため歯周病になってからの治療ではなく、事前にならないように予防をする事が重要になってきます。

 

歯茎の中の骨は見た目では分からないのです。

歯周病を悪化させない為には、定期的にレントゲン写真を撮り、骨の状態を確認する必要があります。

歯周病が進行してから治療をすると手遅れになる場合が少なくありません。

 

歯周病は見た目ではわからない状態で少しずつ進行していきます。

歯科医院でまずは歯周病の検査をして、現在の状態を確認し、もし必要であれば早目に歯周病の治療を開始するようにして下さい。

 

虫歯

お口の中のトラブルというものは、直接目で確認できない内部で起こっている事が殆どです。

 

このような場合、レントゲンによって、歯や骨の内部で何が起こっているかを知ることができるので、歯科ではレントゲン撮影は不可欠なのです。

 

歯科医院では、一般的にまずレントゲンでむし歯の状態を確認しています。

 

レントゲンによって、むし歯の進行具合、詰め物の下のむし歯の有無などを確認する事ができます。

特に、歯と歯の隙間にむし歯があるケースでは肉眼で発見できるのは半分以下と言われていますが、レントゲンを活用すると90%ほどのむし歯を発見することができるのです。

 

次に、レントゲンで歯根の状態を確認できます。

 

歯の根元の状態や、神経が残っているか、感染の有無などがレントゲンでわかるのです。

根元の表面に歯石がついているかどうかも確認できます。

 

歯根部付近の神経に歯髄炎ができていると、炎症が広がって炎症巣ができてしまう恐れがありますが、そのような外観では分かりにくい歯根部分や歯髄部分の状態を確認するためにも、まずレントゲンが必要になるのです。

 

元々の自分の歯に差し歯やブリッジ等をしている場合でも、中の歯の状態は肉眼では確認できません。

このような場合でも、レントゲンを使って中の歯や骨の状態が確認できるのです。

 

歯石

健康保険は疾病保険ですから、病名が無いと健康保険の適応にはなりません。

当たり前ですが、これは保険のルールなのです。

 

例えば抜歯に関して、むし歯や歯周病で抜歯の必要がある場合には健康保険の適応になりますが、矯正治療のための抜歯は病気ではないので健康保険の適応にはなりません。

 

歯石取りに関しても同様で「歯周病(または歯肉炎)」と言う病名がない場合には、健康保険の適応にはならないのです。

 

つまり、初診時には歯周病であるかどうかのレントゲンを撮影による検査が必要になるわけです。

歯石はレントゲン写真上で白く写り、歯茎の下に付着してしまった歯石も見ることができるのです。

歯石除去が患者さんの希望であっても、保険証を提示されて歯石除去を行うという事は、イコール歯周病に対する処置ですので、何らかの検査無しでは処置は行う事はできません。

 

歯石除去を希望されて診察を受ける場合、歯周病の病名でレントゲンを撮影する事は一般的なのです。

 

歯周病は表面上に症状が現れない場合も多い病気ですので、患者さんの状況が把握されていてメインテナンス継続中でなければ、歯周検査やレントゲン検査などもせずに歯石の除去を行う事はあまりありません。

 

レントゲン撮影の費用

歯科医院の診察で、必ずといって良い位行うのがレントゲン撮影です。

このレントゲン撮影の費用は一体いくら位なのでしょうか?

 

保険適用の3割負担ですと、パノラマレントゲンで約1500円、デンタルレントゲンだと約200円、歯周ポケット検査は約1500円と定められていて、全国の歯科医院で共通の料金となっているのです。

パノラマというのは口全体、デンタルというのは歯の一本ごと、歯周ポケットというのは歯周病にそれぞれ関連したそレントゲンとなっています。

 

これらは保険適用の治療なので、料金はきちんと定められているのです。

つまり、保険適用内の治療であればレントゲンの撮影は上記の価格となります。

 

歯科医院でレントゲンを撮影する場合、フィルムとデジタルの2つの方法があります。

フィルムは従来からのレントゲンで、デジタルはパソコンに画像を取り込むことができます。

 

値段としてはデジタルの方が若干高くなっているのですが、一概にはデジタルの方が優れているとは言い切れません。

場合によってはフィルムのほうが患部をより鮮明に写すことができることもあるのです。

 

ですが、デジタルでのレントゲンを使えば、パソコン内での患者さんのデータベースを簡単に作ることができるので情報管理で非常に有効な面があるのと、様々な角度から検討することもできるので目視だけでは分からなかった事も分かる可能性があります。

 

歯科用CT と一般のCTの違い

歯科用CTと一般の医科用CTとの大きな違いは、医科用の撮影方法が横たわるのに対し、 歯科用CTでは座ったままでの撮影となる事が挙げられます。

また、医科用に比べて撮影時間がかなり短く約10秒ほどで済み、被爆線量が医科の1/81/50程度と低水準であるところも大きな違いとなります。

 

医科用で使われる般CTはファンビーム方式といって、らせん状にカメラが移動して撮影されるので同じ撮影場所周辺に何度もビームが照射されています。

対して、歯科用CTの方はコーンビーム方式といって円錐状(コーン状)のビームを照射する方法で1回転で撮影を終了するのです。

 

この歯科用CTの長所としては、装置がコンパクトで安価、被爆量が少ない、高画質で画像の乱れが少ない、短い時間で三次元画像を構築できる、患者さんが座ったままで撮影できる、等が挙げられます。

 

反面の短所としては、柔らかい組織の変化はあまり反映されない、撮影する範囲が狭く限定されている、医科用CTと違って歯科では保険が適用外である点になります。

 

 

歯科用CTでは立体的に歯や周囲の骨の状態を観察できるので、1枚のレントゲン写真と比べれば単純に情報量も多くなります。

 

ただ、この歯科用CTがあれば通常のレントゲン写真は必要なくなるかと言えばそういうことはなく、例えばむし歯の診断には向きませんので、通常のデンタル撮影法と必要に応じて併用します。

 

反面、インプラントや神経の治療で確実性を高めようと思う時にはCT撮影は非常に有益となるのです。

 

セファロ

矯正歯科専門医院で必ず撮影するレントゲンに「セファロ」と呼ばれるものがあります。

これを撮影せずに矯正治療を開始することはあり得えないといってもいいくらいです。

 

このセファロは、頭部X線規格写真の一つで正式名称は「側方頭部X線規格写真」なのです。

別名、「ラテラルセファロ」と呼ばれたりもします。

 

このレントゲンは世界共通の規格写真となっていますので、同年代の平均的なお顔立ちと比べることができるのです。

必ずしも平均値を基準にする訳ではありませんが、矯正治療のゴールを設定するために必須となる情報なのです。

 

セファロは撮影条件が定められていて、X線管球の焦点からフィルム間の距離は165㎝、被写体からフィルム間の距離は15㎝となっていて、撮影時にはこの距離を守る事が求められています。

 

この規格においてフィルムは1.1倍に拡大されることになり、実際の大きさとやや異なっています。

 

また、頭部X線規格写真の撮影方向には3種類(側方、正面、斜側面)ありますが、矯正歯科の分野では「側方」からのものが最も広く用いられている撮影方法になります。

通常、矯正歯科医院でセファロ撮影というと、この側面方向の撮影を指すことが多いのです。

歯科用CT

歯科において、おもにインプラント治療の術前検査においてよく撮影されます歯科用CTは、頭頚部に特化したX線装置で特に口腔、歯科領域の診断に絶大なる威力を発揮する最新医療機械なのです。

 

歯科においてのCT診断は非常に有効です。

 

インプラントや矯正治療では、歯と顎の骨の位置関係、大きさなど従来のレントゲンでは見ることのできない情報をたくさん得ることができます。

また、CT3D構築画像は患者さんにもとても分かりやすい画像診断法ともいえるのです。

 

従来のレントゲン診査では医師の感覚といった要素が診断を大きく左右していたのですが、それに加えて正確な骨の形態を把握するということは安全性、確実性において患者さんにとってとても大きなメリットがあるといえるです。

 

現在ではインプラント治療において、術前のCT検査は世界的な常識となりつつあります。

しかしインプラント治療を経験したことがある患者さまが増えてきたとともに、インプラント治療に関連する失敗などのトラブルを増加してきたことも事実です。

 

そのため安全にインプラント治療をおこなうためには、治療前だけでなくインプラント植立後の状態もCT撮影をおこない、3次元的に当初の計画通りインプラント治療が行われているか検査することが、近年では重要視されているのです。

それには、歯科用CTを設置した歯科医院にてインプラント治療をおこない、施術後すぐに検査をおこなうことが安全なインプラント治療の第一歩であると考えられています。