歯科用語集
あ・か・さ・た・な・は・ま・や・ら・わ
か行
カートリッジ(Ct)
注射器に差し込んですぐに使用できるようになっている容器のこと。 麻酔薬は通常アンプルに入っており、これをカットして使用し、注射針などは厳重に消毒を行わなければならない。 一方、カートリッジは使い捨てで常に新しい注射針を使用し、容器をカットすることもないため、さまざまな感染に対する安全性が高いと考えられる。
外傷性咬合
歯周組織の負担能力を超える津用咬合力によって歯周組織が障害を受けることを咬合性外傷といい、その原因となる咬合力のことを外傷性咬合という。
下顎運動
下顎のあらゆる運動のこと。基本的には開口・閉口、前後、左右の3つで表される。咀嚼、発声などの機能時にはこれらが複雑に合成された運動を行う。 特に補綴物の咬合面形態との関係で重要視される。
隔壁
隣接面の複雑窩洞の修復などに用いられる。歯冠の周囲をバンドで囲み、ジュウテンと形成を容易にする目的で行われる。
架工義歯(ブリッジ)
1〜数歯の少数歯欠損で歯のない部分を人工歯(ポンティック)でつくり、これを両側の支台歯に連結させて形態、機能を回復させる義歯のこと。基本的には口腔内に合着され取り外しはできないようになっている。床義歯に比べると装着後の違和感が少なく、咀嚼能率、審美性(見た目)も優れているが、ブリッジに加わる咬合力は全て支台歯に伝わるため、欠損歯数が多く支台歯の負担能力の限度を超えている場合には応用できない。
過剰歯
人間の歯数は歯の種類ごとに決まっているが、その正規の歯数を超えて、余分に形成されている歯のことを過剰歯という。正常な歯列に崩出している場合、志悦外にある場合、埋伏している場合などさまざまである。形態はその余分な歯の属する種類に類似しているもののほか、円錐状、わい小状などがある。 下顎より上顎に、乳歯より永久歯に多く見られる。過剰歯の原因については不明である。
窩洞
単に病巣部を削り取った穴ではなく、最終的に修復する材料の特性に最も適している所定の形に整えられたもの。歯を切削し窩洞を作ることを窩洞形成という。
仮封
治療途中の歯に対し、口腔からの汚染や貼薬下薬剤が流れ出すことの防止、咬合関係の維持などのために次回の治療までの間、一時的に窩洞や髄質を封鎖すること。 生活歯に対しては歯髄への刺激を遮断し保護する役割も果たす。 加熱によってやわらかくなるストッピングやユージノールセメント、容易に除去できる仮封材セメントなどを使用する。根管の処置に際してはストッピングとユージノールセメントの両方を用いて、より厳密に封鎖が行われる(二重仮封)。
感染性廃棄物
唾液、血液などの付着したものや病原性微生物などに汚染されている廃棄物のこと。感染症患者はもちろんのこと、一般患者の血液が付着したものも感染性廃棄物とみなし、安全に注意しながら確実に処理しなければならない。 自院で滅菌、償却を行う変わりにその処理を業者に委託する方法もある。廃棄物処理法に定める委託基準に基づいて業者と契約するわけであるが、業者の選択の際にはその経営の実態や具体的な処理のシステムなどを十分に調査し、安全に行われていることを確認する必要がある。
局部義歯
部分的な歯の喪失とそれに伴う歯周組織の実質欠損を補うもの。歯の喪失からくる不快な症状や疾患を予防し、装着された義歯が生体と調和して機能を営み健康維持に寄与することが主な目的であり、ただ単に咀嚼機能の回復が全ての目的ではない。パーシャルデンチャーとも呼ばれる。
金銀パラジウム合金
金12%以上、銀40%以上、パラジウム20%以上を含む銀色の合金のことで、一般的に金パラと呼ばれている。金合金に比べると展延性(薄く広げ延ばすこと)にやや掛けるが、鋳造性、操作性、耐食性に優れており、広く歯科臨床に用いられている。
金属床義歯
床に金属を用いた義歯のことで、総義歯あるいは局部義歯の床を金合金、白金加金、コバルトクロム、ニッケルクロムなどの金属を鋳造または圧印して製作したもの。 レジン床に比べて強靭で丈夫なため床を薄くすることが可能であり、口腔内での違和感が少なくなる。また、熱伝導性がよいため複雑な形態の作製をすることもできる。
グラスアイオノマーセメント
歯科用セメントの一種で接着剤と充填用の2種類がある。 色、透明度も天然歯に近く、歯質との接着性を有する。生活歯髄に対する刺激性がなく、フッ素イオンの遊離によって周囲の歯質の抗う蝕性を高めることができる。 一方、初期硬化終了前に水分に接すると著しく性質が劣化すること、乾燥によって亀裂が生じやすいことが欠点である。
欠損歯(欠如歯)
先天的に形成されない歯牙のことで第3大臼歯に多く見られる。下顎よりも上顎に男性よりも女性に多い。
鉤(クラスプ)
局部義歯を口腔内の所定の位置に維持、安定させるために維持歯の歯冠部を抱きかかえる形で設置される維持装置のこと。 金属を鋳造して作る鋳造鉤(キャストクラスプ)と金属線を屈曲して作成する線鉤(ワイヤークラスプ)がある。また、2つの歯にまたがって作られたものを双歯鉤という。
口蓋
口腔の上の壁の部分で、一般的に上あごといわれている部分のこと。前半部分は基礎に骨があり硬いため硬口蓋といい、後半部分は筋肉と粘膜からなり、やわらかいため軟口蓋という。
口腔
口蓋と舌との間の空間のこと。消化器の始まりの部分で食べ物を摂取し、咀嚼して咽頭に送り飲み込ませる働きをしている。これらを行うために口腔を取り込んで口唇、歯牙、歯周組織、舌などがある。また、咽頭を解して鼻腔、喉頭、食道とともにつながり呼吸器と消化器の両方の機能を兼ね備えている。 歯列の外側の、唇と歯肉に囲まれた部分である口腔前庭と内側の固有口腔とに分けられる。固有口腔の大部分を舌が占めている。
口腔内写真検査
口腔内をカラー写真撮影することによって、文章では表すことが難しい口腔内の状態を視覚的に記録しておくことができる。それによって、初診時からの治療による変化を客観的に評価でき、更に他の検査を併用することによって総合的な診断をし、治療計画をより適切なものへと修正する際などに有効的である。 プラークコントロールの動機付けを目的として、言葉での説明では理解しづらい歯周疾患の状態などを患者に示す際にも用いられる。 基本的には正面、上顎咬合面、下顎咬合面、右側面、左側面の撮影を行う(5枚)。
欠損補綴
- ブリッジ(Br):歯のない部分(欠損部分)を人工歯(ポンティック)で補い、これを両側の支台歯(欠損部分の前後にあるブリッジの支えとなる歯)に連結するもの。
- 有床義歯:ブリッジが適さない欠損部を人工的に補綴するもの。残根歯がある場合の「局部義歯」と歯が1本も残っていない場合の「総義歯」がある。
- 床裏装:義歯を使用していて、歯肉との間に隙間が開いてきて噛みにくくなった場合に義歯床と粘膜面の隙間を埋める処置。
咬合紙
インクあるいは色素を含んだワックスを表面に塗布した薄い紙あるいはプラスチックフィルムのこと。上下の歯の咬合・接触関係を見るために上下歯列の間において咬合させ、その位置を天然歯や人工歯の咬合面、舌面に印記させる。 形は短冊型のもの、リボン状のもの、歯列弓の形に合わせたU字型をしているものなどがある。
咬合性外傷
外傷性咬合などによって生じる歯周組織の障害のこと。限度を超えた咬合力が加わった結果として生じたものは1次性咬合性外傷、正常な歯周疾患によって負担能力が低下した歯に加わった結果、外傷が生じたものを2次性咬合性外傷という。 咬合性外傷によって起こる最も特徴的な症状は歯の動揺の増加である。
咬合調整
主に歯牙を削合することにより、咬合力が同時に、均等に加わる調和のとれた咬合へと修正する方法のこと。 歯周疾患に対する負担軽減法の一種であり、外傷性咬合を修正することによって咬合時に歯周組織に加わる過度な咬合力を取り除く目的で行われる。その他、筋の過緊張や歯ぎしりの除去、顎関節の痛みや不快感の除去、歯肉保護のための歯冠形態の修正、人工歯の配列、補綴物装着、などの目的で行われる場合もある。
ゴシックアーチ描記法
下顎を正しく水平面的に横に移動させるとその運動の軌跡は1つの頂点を作り矢印のような形となる。これがゴシック時代の建築物に見られる特徴的な屋根の形に似ていることからこの名称がつけられた。
ゴシックアーチの頂点は歯がそろっている場合の咬頭嵌合位にあたると考えられるため、歯が喪失して咬頭嵌合位が分からなくなった場合の総義歯の作製やそれに近い義歯の作製時に正しい顎位を決定する1つの判断材料となる。
☆ 咬頭嵌合位(こうとうかんごうい):上下顎を噛み合わせた場合に歯と歯がしっかりとかみ合って動かない位置のこと。下顎がもっとも上顎に接近した位置ということができる。この状態は機能的にも安定しており、食物の咀嚼はこの位置及びその付近で行われる。
根管拡大
細菌によって汚染された根管壁を削り取り、狭い根管を広げる処置のこと。これによって根管内の汚染部分が除去され同時に根尖部の病巣に治療剤が届きやすくなる。 根管の器械的拡大ができるのは大きな主根管のみで、枝分かれしている細かい分岐部や側枝は器具を到達させることはできない。このようなところは薬剤を使用し汚染物質を溶かして洗い流す方法がとられる。これを根管の清掃という。
根管形成
根管充填を正確に行うために根管を一定の形態に整えることを根管形成という。加圧根充を行う際には、根充剤であるガッタパーチャポイントが根尖から外にはみ出すことを防ぐためにステップを形成するが、これをアピカルシートという。
根管充填
抜髄が行われた後の根管は空となっているので、その部分を埋める処置のこと。抜髄後は必ず根管充填が行われる。 根管充填剤には大きく分けて固形と糊剤の2種類がある。固形のものは根管を密封し抜髄によって生じた創を自然治癒力によって治すことを目的としている。一方、糊剤はその薬理作用によって積極的に創を治癒させようとするものである。
根管長測定
根管の処置に先立って根管の長さを測定すること。根管の処置を成功させるためには器具の操作を根管内に確実にとどめることが必要である。このため歯冠部の基準点から根尖までの正確な長さを求める必要がある。 測定法には感覚による方法、X線を応用する方法、電気的根管長測定器を用いる方法がある。手指の感覚による方法は、根管内にファイルなどを挿入し根尖の狭窄部を触感によってとらえるもので、熟練によっては可能ではあるが必ずしも信頼のおける方法とはいえない。X線を使用する方法は、根管内にファイルなどを挿入しどこまで到達したかをX線によって確認する方法で、信頼性は高いといえる。電気的根管長測定器を使用する方法は根管から口腔粘膜に通電し電気抵抗値の変化を測定することによって根管長を測定するものである。



