レントゲン室の構造

使い方次第で人体にとって毒にも薬にもなる放射線ですが、この放射線を日常的に扱っているレントゲン室は一体どんな構造になっているのでしょうか?

 

X線には幾つかの作用があり、医療用のX線撮影は、これらの性質のうち蛍光・写真感光・物質透過を利用したもので、痛み等を伴わずに診断出来るところから有効な医療手段として使用されてきました。

 

ところが、医薬品に副作用があるようにX線にも一種の副作用があり、それが放射線のエネルギ-が持つ電離作用なのです。

電離作用とは、原子や分子をイオン化させる能力を意味しますが、放射線が人体を通過したときにエネルギ-の電離作用によって身体の遺伝子を傷つけてしまうのです。

 

この副作用は、人体にとって有害な効果しかなく、時には世代を超えて影響してくることがあります。

そのために我が国でも医療法等の関連法令で、被爆線量を抑えるための数値が決められており、この値以下にするためX線防護が必要になっているのです。

 

放射線防護の三原則として、「時間・距離・遮へい」が挙げられ、X線も放射線のひとつですから当然、三原則に則った運用が求められているのです。

 

まず、X線の取扱い作業時間を短縮する、X線の発生源から離れて作業する、X線の発生源との間に遮蔽物を置く、の三原則になります。

 

放射線を常に扱っているレントゲン室は設計の段階で、「X線の発生源との間に遮蔽物を置く」ことが原則になります。

 

X線に対する防護といえば「鉛」です。

レントゲン室の扉には内部に鉛が貼り込まれている、X線を通さないようになっている専用の鉛ドアが使われています。

そして、部屋の内側の壁にも鉛ボードを貼られていて、ボードの隙間からX線が漏れないようにジョイント部分にも鉛のテープが貼られています。

そして、天井や床も同じように鉛板を貼られていて、もちろんレントゲン室の覗き窓のガラスも鉛ガラスを使用しているのです。

 

つまり、X線を防護する為に鉛で遮蔽された部屋がレントゲン室なのです。