口の中のがんの原因は?

スチュワーデス物語はまさに私の世代のど真ん中ですが、全く観たことがありません。しかしながら、堀ちえみさんが僕らの世代に強烈な印象を残したのは事実です。そんな堀ちえみさんが、ご自身のブログで舌癌の手術を受けたことを公表されました。

長い間、舌癌などの口腔がんは「タバコ」「酒」「合っていない被せ物や入れ歯」が主な原因とされてきましたが、実は隠れた原因に、子宮頸がんでおなじみのヒトパピローマウィルス(HPV)があることが分かってきました。HPVは、簡単に言えば「イボを作るウィルス」であり、脊椎動物のほとんどに分布しています。1980年代に子宮頸癌の研究で、原因がHPVにあることが分かったことで研究が進み、口腔・消化器、泌尿器領域にまで及およぶことが分かってきました。

HPVは、白板症、口腔乳頭腫などの良性病変の発生に、また、口腔領域で最も多い悪性病変である扁平上皮がんの発生に関与するとされています。ここで注意しなくてはならないことがあります。子宮頸部においても口腔領域においても、HPVが感染すれば必ず癌になるというわけではありません。長い持続感染の後に癌になるリスクが高いということです。従って、子宮頸がん検診において、HPVの感染が見つかった方は口の方のがん検診と定期観察が必要になります。

ところで、子宮頸がんワクチンのように、口腔がんを防ぐような方法はないのでしょうか。ワクチンのように、手軽にやることができることも良いのですが、実は日々の歯ブラシや入れ歯の手入れで、口腔がんが予防できることが分かってきています。(日本口腔外科学会雑誌 2010年8月)

論文などによると、将来的には、口腔粘膜への塗布による投与、もしくは食べるワクチンなどが誕生するかも知れないとのことです。しかしその前に、歯ブラシ、定期的なメンテナンス、歯を失わないことが、口腔がんを予防する手軽な方法なのかもしれません。

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