Die 革命

この度、スタッフによるブログと私、五條のブログを分けさせていただきました。色々と題材を考えましたが、私の趣味の一つである読書を通じてどんなことを考えているのかお伝えするのがよいのではと考え、書評を書かせていただく事にしました。古今東西、学術から小説まで色々な本を月に数冊読ませていただきますが、講演会を聞く、映画を観るのとは違い、著者の話を再度読み直し、反芻することができるのが醍醐味です。道端の花に見惚れることがあるように、何気ない文章の一文に気を取られたこと、そこから考えたことを述べさせていただければと思います。
さて、今回取り上げるのは「Die革命」です
著者の奥真也氏は東京大学の医学部を卒業した医師である一方で、MBAを取得したビジネスマンでもあります。東京大学出身の医師の方を見ると、人体という小さいところにとらわれることなく、大局に立って物事を考えられている方が多い気がします。
奥氏は数多くの医療現場の経験と知識をもとに、医療はすでに9合目を迎え「死の脅威をもたらす病気はほとんどすべて姿を消す」時代=不死時代の到来を予見しています。奥氏が提言する「有能なかかりつけ医はもうまもなくAI(人工知能)医師が勤めることになるのは確実」なようです。不死社会で不幸なことは、「自己現実できなくなった状態で延々と生き続ける」ことです。オランダ、スイスなどの一部の国ではすでに自己現実できなくなった人に安楽死をすることができるようになりました。自立した個人を尊重する西洋らしい考えとも言えます。日本人も、死なないための十分な努力をしたうえで、自己満足できた人生であったことを前提に、死に方の選択を考えることが普通になるのかもしれません。
世の中では、「死」をタブーとし、面と向かって問題視しない方もいます。テクノロジーによって医療の恩恵があり、自己現実する機会に恵まれた今だからこそ、一度立ち止まって、もしもの時を考えるのに良い本ではないかと思いました。