食べるも、しゃべるも、姿勢から

今月の「月刊歯科衛生士」の記事で、患者さんのお宅や施設へ単独で訪問している歯科衛生士・十時久子さんの記事を読みました。

 

十時さんが80代女性Sさんの訪問に行った時のお話。

脳梗塞で倒れたあと、からだが左側に傾きがちになり、声量も小さく、言葉数がぐっと減ってしまったと娘さんからの依頼から治療が始まったそうです。

「この姿勢を改善し、お口まわりの筋肉を鍛えて、呼吸の力をつければ、声量も大きくなり、水分もスムーズに飲み込めるようになるはず」そう考え、月に一度、Sさんの元へ通う日々がはじまりました。

 

まずは、生活の場をリハビリ空間にアップデート!

・しゃべる機会を増やしてもらうため、こちらから話題をいろいろと振る

・食卓の席についたときに、少し高い位置にある鴨居に目線を合わせてもらい、「おーい、おーい」と2階にいる家族を呼ぶ⇒声出し練習

・低い位置にあったテレビを少し高い位置にしてもらう⇒日常的に目線が少しでも上にいくような工夫

小さな工夫で、楽しくリハビリが行えること、そのために慣れ親しんだくらしの中になじむよう、いかにうまくリハビリを組み込むのか・・・そういうことを十時さんは大切にリハビリを行っているそうです。

 

だんだんSさんの姿勢が改善されてくると、声量も増し、言葉数も増えてきたそうです。

するとSさんが「前は自分の言葉をなかなか理解してもらえなかった・・・」と教えてくれたそうです。

言葉数が減ってしまった原因はしゃべりにくい姿勢であったということにくわえ、「話しても理解してもらえない」というところにあったみたいです。

 

 

当院も訪問歯科診療を行っており、最近では「MFT(口のまわりの筋機能療法)」も講習会で学んでいるので、大変興味深い記事でした。

せっかく習ったリハビリも患者さんが行えなければ意味がないものになってしまいます。「楽しくリハビリが行える」ような工夫が必要なこと、

また、日常の生活の中で取り入れやすいことも重要なのだと学びました。

 

来年から本格的にMFTが当院でも始まるので、それまでにどう患者さんにご説明するか、どう取り入れてもらうか勉強しようと思います。

 

 

 

参考文献:「歯科衛生士2017年6月号;p42-43」