食事や栄養の偏りが要介護につながる

みなさんは、健康寿命という言葉を耳にしたことはありませんか?

これは、健康上の問題がない状態で、日常生活が送れる期間のことです。

今回は、健康寿命を延ばす知恵として、高齢者の自立度が年齢と共にどう変化するのか?また、食事、栄養の偏りと要介護についてお話しします。

超高齢となるまで、自立を維持できることのひとつに遺伝的要因があります。あるデータでは、男性の一割は80歳、90歳まで自立を維持していますが、女性ではごく少数だったため、その割合の表示も無いほどでした。しかし、生活習慣や生活環境を整えることで、自立維持を延ばすことは可能だと考えられています。

前期高齢者が要介護となる原因の多くは生活習慣病によるものが多く、特に男性では脳血管疾患が多くなっています。生活習慣病には、内臓脂肪型肥満を共通の要因として高血糖、高血圧、脂質異常などの複合した病態であるメタボリックシンドローム(通称「メタボ」)が関連しています。

以前の研究では、噛めないものが増えると摂取可能な食物が制限され痩せるという報告がありました。しかし近年では、咀嚼力(噛む力)が低下しても、食欲が充分にある場合は、食の西洋化や加工食品の普及などにより、軟らかくて高脂肪、高エネルギーな食品が手に入りやすくなっていることから、過栄養によるメタボリックシンドロームが問題になりつつあります。これは64歳以下で多くみられる傾向にあり、放置しておくと数年後には糖尿病、脳血管疾患、心血管疾患などを発症し、要介護状態になってしまうことがあります。

70代後半になると、骨や筋肉の衰えによる運動機能低下により、70歳代半ばから徐々に自立度が低下しはじめ、10年ほどかけて日常生活全般に介助が必要な状態になっていくと言われています。このタイプでは、低栄養が自立度低下になる原因のひとつとされています。低栄養は、咀嚼力をはじめ、口腔機能の低下が関係していると考えられます。対策としては、残存歯数(お口の中に残っている歯の本数)が少ない方には、義歯を使ってよく噛んでもらうことで、口腔機能の低下を防ぐこと、食事をしっかり摂ることが挙げられます。

過栄養と低栄養のいずれにおいても、咀嚼力の低下により、食事内容に偏りが生じていることも問題です。食欲があって軟性食品を食べ過ぎてしまう方には、満腹感が得られるよう、野菜や硬めの物をよく噛むようにします。一方、食欲が低下している方にはエネルギーとタンパク質の摂取量を増やしてもらうために、少しだけ努力して、なるべく肉を食べてもらうと良いです。

食事や栄養の偏りが原因で要介護にならない為にも、日々の食生活でできることから継続していきましょう。

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