痛みを和らげる装置

矯正治療には、どうしても「目立つ」「痛い」というイメージがありました。
審美的に「目立つ」という点は、歯の裏側にブラケットを取り付けるリンガルブラケットというタイプや、ブラケット自体が歯の色に近いセラミックブラケットなどを選択することで改善できるようになってきましたが、「痛い」を和らげる方法はないのでしょうか?
矯正治療は、矯正用ワイヤーを使って歯根膜に圧力をかけながら少しずつ歯を動かしていくため、どうしても歯が締め付けられるような痛みが発生してしまいます。
痛みを和らげるには、与える力を抑えながら穏やかな力でゆっくり動かすことが求められていたのです。
この矯正治療に伴う痛みを和らげる装置として最近注目を集めているのが「超弾性ワイヤー」と呼ばれる新しいワイヤーなのです。
この柔らかくて弾力に優れた素材で作られたワイヤーは、ある設定温度を超えると元の形に戻ろうとする形状記憶合金の性質を利用したもので、最初にワイヤーに理想的な歯並びの形を記憶させてから装着すると体温で温められたワイヤーはゆっくりと元の形に戻ろうとするのです。つまり、形状記憶合金ワイヤーの性質を利用して、柔らかい力でゆっくりと歯を動かしていくので痛みを和らげることができる仕組みになっているのです。
今までの矯正装置では、細い針金やゴムなどを使って歯を動かすワイヤーをブラケットに固定していて、その時のワイヤーとブラケット間の摩擦が痛みを生じさせる原因となっていました。
新しく開発されたセルフライゲーションブラケットはブラケット自体がワイヤーを保持する構造になっているので、従来の摩擦が軽減されてスムーズに歯を動かすことが可能となっているのです。
このセルフライゲーションブラケットは歯の移動に伴っていた痛みが少なくなり、治療期間の短縮にも役立つ有効なシステムなのです。