オバマケアとプライマリー医

新しくトランプ政権になったアメリカでは、旧オバマ政権によって実現されたオバマケアの撤廃か存続かに国民の注目が集まっています。
トランプ大統領就任時には、公約の目玉としてきた医療保険制度改革でしたが、「オバマケア」に替わる「トランプケア」とも呼ばれた代替法案の可決に失敗して、アメリカの医療保険制度の先行きは不透明となっているのです。
アメリカの医療保険制度は日本の医療保険とは大きく異なり、基本的に自由診療が基本です。
アメリカの医療費が高いのは日本でも知られていますが、例えば入院1日の盲腸の手術で医療費が何と550万円、 民間保険会社の保険が適用されても自己負担は110万円にもなってしまう実情があります。
アメリカ人の破産理由の62%は医療費にもなり、更に驚くべき事実として、その内の80%は民間保険に入っていたと伝えられています。
ご存知のように、オバマケアは日本のような国民健康保険ではなく、基本的に国民に保険加入を義務付けて、保険料の支払いが困難な低所得者には補助金を支給することにより、保険加入率を高める保険加入推進政策といったものでした。
とはいえ、このオバマケアがアメリカの医療現状を救うには至りませんでした。
そんなアメリカでは、家庭医に相当するプライマリー医の充実も実現していません。
かってアメリカでは、プライマリー医が保険会社の利益に貢献しているという認識が生まれてしまい、それから10年以上経過した現在もプライマリー医に対する社会的評価は回復しておらず、給料も他科目の医師を下回っているといわれています。
これらの背景が原因で、プライマリー医の大幅な不足という事態にもアメリカは直面しているのです。