睡眠時無呼吸症候群と歯科治療

睡眠時無呼吸症候群とは、肥満などが原因で睡眠中に無呼吸・低呼吸が断続的に起こる症候群です。

症状としては、いびき、日中の過度な眠気、熟睡感の欠如、集中力の低下などがあり、ドライバーの事故リスク上昇 や糖尿病リスク上昇、脳卒中、死亡リスク上昇といった悪影響が報告されています。

日本の潜在患者数を推定すると、30万人程度と考えられています。

睡眠時無呼吸症候群は、大人のみならず、実はお子さまの間にも広がっています。

お子さまの場合は、歯ならびが悪かったり、扁桃腺が肥大することで、 鼻腔や気道が狭まることが主な原因です。

お子さまの睡眠時無呼吸症候群についても、重大な悪影響が、いずれも海外の報告ですが、以下のようなものが報告されています。

 

  • 成績低下:いびき・無呼吸の症状を持つ生徒は、そうでない生徒に比べて、数学・言語の成績が進学に不十分とみなされる下位30%になってしまうリスクが、約1.4倍高い。
    (Perez-Chada, D. 2007)
  • ADHDリスク上昇:睡眠時無呼吸症候群のお子さまは、そうでないお子さまに比べて、多動性・不注意・攻撃性といったADHDの症状に関する指標で問題があるとされるリスクが、約2倍高い。(Gottlieb, D. J. 2003)
  • 成長阻害:睡眠時無呼吸症候群のお子さまは、そうでないお子さまに比べて、インスリン様成長因子結合蛋白3型(IGFBP-3)の循環濃度が有意に低い(インスリン様成長因子は、成長や発達に関わるホルモン)
    (Nieminen, P 2002)
  • 高血圧リスク上昇:睡眠時無呼吸症候群のお子さまは、そうでないお子さまに比べて、高血圧になるリスクが約4 ~ 5倍高い。
    (Enright, P. L. 2003)

上段の写真は歯ならびが悪い人と1940年ごろの人の骨を示します。
左右の6歳臼歯間の距離は狭くなり、鼻腔も狭くなっていることがわかります。
親知らずが生えるスペースはありません。

下段の写真は歯ならびが良い人と化石人骨です。
鼻腔は明らかに広く、親知らずがしっかり生えています。
鼻腔が広いということは、鼻からの呼吸がしやすい。
すなわちいびきをかきにくくなり、睡眠時無呼吸症候群になりにくくなります。


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